私と猫二匹と旦那

その時の趣味と時々シャウト。

悲しいのは人




よろよろし始めた月曜日。旦那が獣医と話して、旦那と相談して、入院はさせないと決めた。点滴は受けた。庭で少しお散歩。外が好きで網戸も全部この娘が壊して。今思えば5月の半ば、まだ足腰がしっかりしててかつおぶしなら喜んで食べてるうちに、お散歩させはじめれば良かったと、それだけはこの看取りで後悔している。
火曜日、レバーペーストみたいなおいしそうな高栄養食をうにゃうにゃ言いつつ食べた。かつおぶし混ぜて。食が細くなってからはもう食べられるものは何でも食べさせようと決めて色々試したけど、うにゃうにゃ言ってたのはかつおぶしと鮭のムニエルだけだったので、これは美味しかったんだと思う。庭の散歩では、嬉しそうに草にすりすりしてるけど、もう歩かない。トイレには自力で行った。
水曜日、シリンジで水をあげはじめる。誤飲が怖かったがむせもせず結構上手に飲む。朝は高栄養食ちょっと食べる。お散歩、昨日は立ってたけどもう立てない。でも頭を上げて草を楽しんだりはする。それでも朝はトイレには自力で行った。そのあとはお水飲ませてしばらくしてから、トイレに連れてったら自分で気に入ってる方に自分で移動してしてた。
木曜日、もう食べない。子猫用ミルクをシリンジであげる。後口がさっぱりするかと〆はお水。月曜日からの飲食は全部人肌だ。氷入りの水とかお湯が好きだったけど、さすがにそれはあげられず。お散歩、へたりこんでしまう。せめて、と寝床を窓際に。外見たり、やんちゃなもう一匹を見たり、私たちを見たり。旦那が仕事でCPに向かってしばらくしたら、寝床から出る!と。半分出たとこで力尽き。かわいい。トイレかと思ったが違った。旦那のとこ連れてったら膝でデレた。そーか、旦那が好きか。夜のミルクのとき、蒸しタオルでさっぱりさせる。毛繕いできないし庭にも出してたから。真っ黒で真っ白。美人だなあ。もう瞬膜出っぱなしだけど。乾いたタオルでふいてからマッサージ。体位の転換は自分でできてるし寝床は適度に柔らかいけれど、やっぱり痩せて骨が当たるところが気になる。マッサージで体温が少し戻った感じ。気持ち良さそう。でも弱るまではマッサーすると途中でがっつり引っ掻き噛みつく娘だったからなあ。鮭なら食べるかも、とお刺身を準備、生は食べないので焼いてみたが見向きもしない。頑として口にも入れさせない。トイレに連れていくとなんとか座った。
金曜日、朝旦那に起こされた。誤飲かも、苦しそう、と。なんとか咳はできてた。失禁。そのあとちょっと落ち着いて、撫でたら反応してた。そして、呼吸がわからなくなった。まだ音はしてるけど、心音は聞こえない。また失禁。濡れるの嫌いなこだから、敷物を全部替えて体もきれいにする。まだ暖かい。旦那が挨拶に喉の下を撫でて、仕事に行った。私も出ないといけない。また失禁していたので、もう一度全部きれいにして、昨日の夜まで尻尾で返事してたので尻尾だけ足の上に乗せて(また失禁したら気持ち悪いかなと)。家を出るときタンポポを一輪鼻先に置いてみたが、全く反応がない。そして私も仕事に行った。
硬直の様子や目や呼吸を考えると、旦那が出かける直前から私が出掛けた直後のどこかで逝ったんだとおもう。尻尾も目も、私が出たときそのままだったから。安らか通り越して、いつ逝ったかもわからない。断末魔も無かった。考えてみると、一度目の失禁の後きゅーっとあごが伸びた。あれが最後だったんじゃないかと思う。
立てなくなって1日、最後の晩までトイレ選んで使ってた。私もこんな風に逝きたいと思う。美人でびびりで神経質で意地悪で、まだ12歳だったのに、そこに悔いはあるけど、医者にも見せていたので仕方ないのか。
私自身が今週倒れていて、上記の大半は旦那がしてくれたこと。結婚してなければこの娘と過ごす時間も無かった。解熱剤効いてるうちに、書いてみた。ありがとう。輪廻を信じてないけど、虹の橋も信じてないけど、あっちでまた会えたらいい。